BRITISH SPIRATION : Layers of green
緑の庭に学ぶ、シックな重ね着。
October 31st,2024
JOURNAL
WHAT’S YOUR FAVORITE WINTER FABRIC
Interview with Martin Harvey-Shemwell, Knitter
January 18th,2023
このところ 10 年間、抽象画を描くのが唯一の趣味だというニッターのハーヴィー・シャン
ウェルさん。16 歳の頃からジョン スメドレーで働き、引っ越しで一度は離れたものの 7 年
前に戻ってきました。ニッターだけではなく、ときに整備士としても働くのは、1 つ以上の
仕事をするほうが自分の性質には合っているからだそう。そんな彼が秋冬のシーズンに重宝
している素材はウール。着用者としての視点と、作り手から見た素材の特徴を語ります。
このところ 10 年間、抽象画を描くのが唯一の趣味だというニッターのハーヴィー・シャンウェルさん。16 歳の頃からジョンスメドレーで働き、引っ越しで一度は離れたものの 7 年前に戻ってきました。ニッターだけではなく、ときに整備士としても働くのは、1 つ以上の仕事をするほうが自分の性質には合っているからだそう。そんな彼が秋冬のシーズンに重宝している素材はウール。着用者としての視点と、作り手から見た素材の特徴を語ります。
「ウールと聞くと冬の装いを連想しがちですが、実は透湿性に優れた素材です。つまり、
イギリスの気候においては、夏でも着られるほどオールシーズンで着用できるんです。
さらに繊維が細く長いメリノウールは強度が高くて、洗濯機で洗うこともできます。な
ので、毎日のユニフォームのように、洗練されたワークウエアとして愛用している人も
多くいますね。一方、私の場合は、お出かけをするときについ手が伸びる上等な一丁羅
としても活躍してくれています。つまり日常でも、特別な日でも着ることのできる、丈
夫かつ万能な素材なんです。不思議な生地ですよね。どんな時にも頼りになって、まさ
に人生の相棒と言える存在に近いものです」
「ただ、ニッターとしての好みでは、メリノウールよりコットンに軍配が上がります。と
いうのも、ウールは水分を含んでいないと乾いてしまって編みの作業をする時の取り扱い
が少し厄介だからです ( 笑 )。もちろん、そこがニッターの腕の見せどころですけれど。
素晴らしい素材だからこそ、私たちはその長所を殺さぬよう厳重に注意を払いながら、ひ
とつひとつ丁寧に編んでいく必要があるのです。あ、覚えておくといいかもしれません。
蒸気がもくもくと籠って湿度の高いお風呂場は、メリノウールにとって、元気をたくさん
もらえるレストランのような場所なんですよ」
Photography by Sophie Green
Edit by kontakt
「ウールと聞くと冬の装いを連想しがちですが、実は透湿性に優れた素材です。つまり、イギリスの気候においては、夏でも着られるほどオールシーズンで着用できるんです。さらに繊維が細く長いメリノウールは強度が高くて、洗濯機で洗うこともできます。なので、毎日のユニフォームのように、洗練されたワークウエアとして愛用している人も多くいますね。一方、私の場合は、お出かけをするときについ手が伸びる上等な一丁羅としても活躍してくれています。つまり日常でも、特別な日でも着ることのできる、丈夫かつ万能な素材なんです。不思議な生地ですよね。どんな時にも頼りになって、まさに人生の相棒と言える存在に近いものです」
「ただ、ニッターとしての好みでは、メリノウールよりコットンに軍配が上がります。というのも、ウールは水分を含んでいないと乾いてしまって編みの作業をする時の取り扱い
が少し厄介だからです ( 笑 )。もちろん、そこがニッターの腕の見せどころですけれど。素晴らしい素材だからこそ、私たちはその長所を殺さぬよう厳重に注意を払いながら、ひとつひとつ丁寧に編んでいく必要があるのです。あ、覚えておくといいかもしれません。蒸気がもくもくと籠って湿度の高いお風呂場は、メリノウールにとって、元気をたくさんもらえるレストランのような場所なんですよ」
Photography by Sophie Green
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