BRITISH SPIRATION : Wrapped in a versatile peacoat
船の上から、都市生活まで。
November 14th,2024
JOURNAL
BRITISH CRAFTSMANSHIP
Interview with Stephen Hinds about the Collar
November 18th,2021
ジョン スメドレーと言えば何を思い浮かべますか?
きめ細かで直接肌に触れても気持ちのいいメリノウール?
真夏でも快適にすっきりと着れてしまうシーアイランドコットン?
当然どちらも正解です。ですが、今回はもうちょっと画角を絞り、
ジョン スメドレーのアイコニックなポロシャツの襟の形についてのお話しを。
ジョン スメドレーと言えば何を思い浮かべますか?きめ細かで直接肌に触れても気持ちのいいメリノウール?真夏でも快適にすっきりと着れてしまうシーアイランドコットン?当然どちらも正解です。ですが、今回はもうちょっと画角を絞り、ジョン スメドレーのアイコニックなポロシャツの襟の形についてのお話しを。
ステファン・ハインズさんはジョン スメドレーで45年間働くベテラン職人。彼の一番の仕事は、1930年代にジョン スメドレーが製造して以来変わらない“ 完全” な形の襟を作ること。
決してまっすぐで端正な襟とは言えない。だけどもちょっと歪んだジョン スメドレーの襟を愛くるしいと思うファンが世界中にたくさんいます。この“パーフェクトカラー”、実は計算して生まれた形ではありませんでした。この襟形を作る機械の“クセ” から生まれた、ある種偶然の産物だったのです。
そんな機械ですが50年以上経った現在でもフル稼働する現役選手。ポロシャツの小さな襟を編むのにも5分ほどかかってしまう……。非効率。しかし彼にしかできない仕事。するとステファンさんが、不規則に穴が空いた金属板のようなものを見せてくれます。「このカードがこの編み機へ信号を送る役割を担っているんです。オルゴールのデコボコのようなものでね。この襟はこのディスク。それであの襟はこのディスク。だからこの愛くるしい襟の形もコンピューターの電気信号ではできないアジなんだろうね」とステファンさんは話します。
ステファン・ハインズさんはジョン スメドレーで45年間働くベテラン職人。彼の一番の仕事は、1930年代にジョン スメドレーが製造して以来変わらない“ 完全” な形の襟を作ること。
決してまっすぐで端正な襟とは言えない。だけどもちょっと歪んだジョン スメドレーの襟を愛くるしいと思うファンが世界中にたくさんいます。この“パーフェクトカラー”、実は計算して生まれた形ではありませんでした。この襟形を作る機械の“クセ” から生まれた、ある種偶然の産物だったのです。
そんな機械ですが50年以上経った現在でもフル稼働する現役選手。ポロシャツの小さな襟を編むのにも5分ほどかかってしまう……。非効率。しかし彼にしかできない仕事。するとステファンさんが、不規則に穴が空いた金属板のようなものを見せてくれます。「このカードがこの編み機へ信号を送る役割を担っているんです。オルゴールのデコボコのようなものでね。この襟はこのディスク。それであの襟はこのディスク。だからこの愛くるしい襟の形もコンピューターの電気信号ではできないアジなんだろうね」とステファンさんは話します。
ステファンさんは機械の前に立ち、編み機の針が鳴らすリズミカルな“カチカチ” という音を聞きながら一日中過ごしています。他人には騒音に聞こえるかもしれない音は、彼にとってはまさにオルゴールのような心地のいい音色。「工場内に嶋精機の機械もあるんだけど、やっぱりこの編み機が僕にとっては一番の想い入れがあるかもしれない。寒さにへこたれることもない。気まぐれな様子もない。強いて言うなら部品が壊れるとちょっと厄介ってぐらい。今まで色々な襟を見てきたけど、この襟にかなうものなんてないんです」。
ステファンさんは機械の前に立ち、編み機の針が鳴らすリズミカルな“カチカチ” という音を聞きながら一日中過ごしています。他人には騒音に聞こえるかもしれない音は、彼にとってはまさにオルゴールのような心地のいい音色。「工場内に嶋精機の機械もあるんだけど、やっぱりこの編み機が僕にとっては一番の想い入れがあるかもしれない。寒さにへこたれることもない。気まぐれな様子もない。強いて言うなら部品が壊れるとちょっと厄介ってぐらい。今まで色々な襟を見てきたけど、この襟にかなうものなんてないんです」。
Photography by Asia Werbel (for factory)
Edit by kontakt
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