1. RYUJI IWASAKI FORM / COLOUR VOL.2

RYUJI IWASAKI FORM / COLOUR VOL.2




優美なラインと美しい色、そして誰も手にしたことがなかった質感。グラデーションのふくよかな進化でさらに深みをましているうつわ作家・岩崎龍二展を2月23日(木・祝)よりジョン スメドレー京都店にて開催致します。約230年伝統を誇り、時代を経ても色褪せないデザインとシーズンごとに豊富なカラーパレットを展開するジョン スメドレーのニットウェア。培われたクラフトマンシップが生む「かたち」と「いろ」。生活を豊かに彩るニットウェアとうつわのコラボレーションを今年もどうぞお楽しみください。

優美なラインと美しい色、そして誰も手にしたことがなかった質感。グラデーションのふくよかな進化でさらに深みをましている うつわ作家・岩崎龍二展を2月23日(木・祝)よりジョン スメドレー京都店にて開催致します。約230年伝統を誇り、時代を経ても色 褪せないデザインとシーズンごとに豊富なカラーパレットを展開するジョン スメドレーのニットウェア。培われたクラフトマンシッ プが生む「かたち」と「いろ」。生活を豊かに彩るニットウェアとうつわのコラボレーションを今年もどうぞお楽しみください。



ふちどりのやわらかな丸みと、優美な線を描いて滑るように 続くカーブ、持ち上げると、さらにはっとする驚きがあり、 感じたことのない心地よさが指先に伝わります。陶芸家・ 岩崎龍二のうつわは、独特の美しい色合いとともに、自然のなかに存在する清らかなものに出合ったときのような感 動を人々に与え、世代を超えて、人気が広がっています。

ふちどりのやわらかな丸みと、優美な線を 描いて滑るように続くカーブ、持ち上げると、 さらにはっとする驚きがあり、感じたことの ない心地よさが指先に伝わります。陶芸家・ 岩崎龍二のうつわは、独特の美しい色合い とともに、自然のなかに存在する清らかなもの に出合ったときのような感動を人々に与え、 世代を超えて、人気が広がっています。

伝統工芸の世界で技術を磨き、数々の受賞を重ねてきた岩崎龍二さん。 大阪府富田林市にアトリエと工房を構え、皿や鉢、花器など日々に寄り添 ううつわづくりをされています。
美しい色彩と丸みを帯びた柔和なかたちは、確かなろくろの技術と、研究 を続けてきた独自の釉薬が合わさり生み出されたもの。成形し素焼きした 生地に、ベースとなる白の釉薬と色を表現する釉薬を重ね、少し低い温度 で長時間焼成することで完成します。
「僕のうつわは、時間がとても大切なんです。ろくろに向かうときの自分の コンディションもそうですが、丁寧にかたちをつくり、焼成もゆっくり焼き、 ゆっくりと時間をかけて冷ましていく。そうすることで釉薬に含まれる金属 が結晶化し、釉溜まりの景色をつくり出します」
宝石のきらめきにも似たガラス質の結晶が目をひく作品は、ひとつとして 同じ顔をしていない。釉薬が流れるさまは一期一会で、さまざまな表情が あるのも大きな魅力となっている。
うつわの名前にも美意識が生かされている。アイスグリーンやブルーグレ ー、紫に匂いと書いて紫匂(しこう)、煌赫(こうかく)。豊かな色の世界に迷 いこんだような美しい響きのある言葉がとても印象的だ。
近年取り組まれているのは、「杼(ひ)」と名付けられたシリーズ。酸化金属 (二酸化マンガン)をごくわずかに釉薬に混ぜることで、あたたかみのある 色を引き出しながら、下地に用いた白い釉薬の結晶が中央に現れ、奥行き のある景色となる。

椿+ブルーグレー8寸平皿

椿+ブルーグレー8寸平皿

伝統工芸の世界で技術を磨き、数々の受賞を重ねてきた岩崎龍二さん。 大阪府富田林市にアトリエと工房を構え、皿や鉢、花器など日々に寄り添 ううつわづくりをされています。
美しい色彩と丸みを帯びた柔和なかたちは、確かなろくろの技術と、研究 を続けてきた独自の釉薬が合わさり生み出されたもの。成形し素焼きした 生地に、ベースとなる白の釉薬と色を表現する釉薬を重ね、少し低い温度 で長時間焼成することで完成します。
「僕のうつわは、時間がとても大切なんです。ろくろに向かうときの自分の コンディションもそうですが、丁寧にかたちをつくり、焼成もゆっくり焼き、 ゆっくりと時間をかけて冷ましていく。そうすることで釉薬に含まれる金属 が結晶化し、釉溜まりの景色をつくり出します」
宝石のきらめきにも似たガラス質の結晶が目をひく作品は、ひとつとして 同じ顔をしていない。釉薬が流れるさまは一期一会で、さまざまな表情が あるのも大きな魅力となっている。
うつわの名前にも美意識が生かされている。アイスグリーンやブルーグレ ー、紫に匂いと書いて紫匂(しこう)、煌赫(こうかく)。豊かな色の世界に迷 いこんだような美しい響きのある言葉がとても印象的だ。
近年取り組まれているのは、「杼(ひ)」と名付けられたシリーズ。酸化金属 (二酸化マンガン)をごくわずかに釉薬に混ぜることで、あたたかみのある 色を引き出しながら、下地に用いた白い釉薬の結晶が中央に現れ、奥行き のある景色となる。


「杼」や「椿」「桜」など、暖色系のうつわは情緒に満ちて語りかけてくる美しさがある


杼リム鉢

杼リム鉢

「杼という名前もこの佇まいから浮かんだ音が基本となっていて、とても気に 入っています。うつわが新しく生まれるたびにその呼び名を考えます。多くの 方に知っていただきたいと願っているので、そうした時間もとても大事にして います」
釉薬の研究に、自然素材をかけ合わせることで誕生した作品がある。淡く頬 を染めたように色づく「椿」のシリーズだ。その名の通り、椿の木の灰が用いら れたもので、長崎県佐世保で森を守る仕事をされている方のお話を身近に聞 く機会があり、「灰を送ってもらえないか」とお願いして実現した自然灰のうつ わだ。初春のころ、椿の木の灰を届けてもらっているが、毎年灰の様子も異な り、そこから焼き上がるうつわの表情もとりどりだという。「椿の灰がつくり出す その景色は毎回、窯を開けてみないとわからないこともあり、自分が一番最初 の観察者として驚き、感動します。思い描いていた表情になったらものすごく 嬉しいし、早く皆さんに見ていただきたいと思う。何度繰り返しても毎回新鮮 で、ドキドキさせられます。その時間も含めて、楽しくて。だから焼き物を続け ていられるのではないかと思うのです」
完成した椿のうつわを、灰を分けていただいた方に送り、喜ばれたことも励み になったそうだ。「森の命を守るために間伐された樹木が燃やされ灰となり、 釉薬としてうつわの景色をつくり、使う方に喜んでいただける。うつわを通じ て新しい繋がりが生まれるのが嬉しいですね。富田林の隣の太子町や河南町 には葡萄やイチジクを栽培する農家さんもいらっしゃるので、それらの木の灰 を分けていただき焼くことにも挑戦しています」

「杼という名前もこの佇まいから浮かんだ音が基本となっていて、とても気に 入っています。うつわが新しく生まれるたびにその呼び名を考えます。多くの 方に知っていただきたいと願っているので、そうした時間もとても大事にして います」
釉薬の研究に、自然素材をかけ合わせることで誕生した作品がある。淡く頬 を染めたように色づく「椿」のシリーズだ。その名の通り、椿の木の灰が用いら れたもので、長崎県佐世保で森を守る仕事をされている方のお話を身近に聞 く機会があり、「灰を送ってもらえないか」とお願いして実現した自然灰のうつ わだ。初春のころ、椿の木の灰を届けてもらっているが、毎年灰の様子も異な り、そこから焼き上がるうつわの表情もとりどりだという。「椿の灰がつくり出す その景色は毎回、窯を開けてみないとわからないこともあり、自分が一番最初 の観察者として驚き、感動します。思い描いていた表情になったらものすごく 嬉しいし、早く皆さんに見ていただきたいと思う。何度繰り返しても毎回新鮮 で、ドキドキさせられます。その時間も含めて、楽しくて。だから焼き物を続け ていられるのではないかと思うのです」
完成した椿のうつわを、灰を分けていただいた方に送り、喜ばれたことも励み になったそうだ。「森の命を守るために間伐された樹木が燃やされ灰となり、 釉薬としてうつわの景色をつくり、使う方に喜んでいただける。うつわを通じ て新しい繋がりが生まれるのが嬉しいですね。富田林の隣の太子町や河南町 には葡萄やイチジクを栽培する農家さんもいらっしゃるので、それらの木の灰 を分けていただき焼くことにも挑戦しています」

杼高足器, 杼深

杼高足器, 杼深

煌赫+ブルーグレー花器

煌赫+ブルーグレー花器

岩崎さんは今、かつて父が建て、自身が育った家を引き継ぎ、仕事場に している。ろくろの前にある大きな窓から遠くは山々の稜線が見え、手 前には子供の頃から親しんだ桜の木が枝を広げる。毎朝、家族と朝食を 済ませると、自宅アトリエから車で10分ほどのこの仕事場へ向かい、朝 の光のなかでろくろに向かう。「ろくろはリズムが大事ですね。朝8時には ここに座り、土に触ります。そして、土と身体と静かに対話するようにかた ちをつくっていく。頭のなかで考えてつくるより、自然に立ち上がったかた ちに美しさがあると思いますね」できるだけ無心であることを心がける なかで、イメージしているのは、果物のフォルムだという。「果物の丸みの あるかたちは何よりも手本になりますね。美しさは人工物ではなく、自然 のなかにあると思うのです。そうした言葉では表せないような佇まいが 理想ですね。そんな無理のないかたちを目指し、釉薬の流れを想像しな がら手を動かします」
そうして生まれたかたちは、装飾を省いた、シンプルで優しいかたちをし ている。その肌に現れる豊かな色合いとともに、健やかな美しさがある。 「僕のうつわを小さなお子さんが見て、『きれいで使ってみたい』と言って くれるそうです。子供の心に届いていると思うととても嬉しいのです。僕 自身、家族との食卓でうつわを使っていて、離乳食のスプーンがすくいや すいように縁どった丸鉢などの作品もあり、小さな手にも使いやすいうつ わをつくりたいと思っています」

岩崎さんは今、かつて父が建て、自身が育った家を引き継ぎ、仕事場に している。ろくろの前にある大きな窓から遠くは山々の稜線が見え、手 前には子供の頃から親しんだ桜の木が枝を広げる。毎朝、家族と朝食を 済ませると、自宅アトリエから車で10分ほどのこの仕事場へ向かい、朝 の光のなかでろくろに向かう。「ろくろはリズムが大事ですね。朝8時には ここに座り、土に触ります。そして、土と身体と静かに対話するようにかた ちをつくっていく。頭のなかで考えてつくるより、自然に立ち上がったかた ちに美しさがあると思いますね」できるだけ無心であることを心がける なかで、イメージしているのは、果物のフォルムだという。「果物の丸みの あるかたちは何よりも手本になりますね。美しさは人工物ではなく、自然 のなかにあると思うのです。そうした言葉では表せないような佇まいが 理想ですね。そんな無理のないかたちを目指し、釉薬の流れを想像しな がら手を動かします」
そうして生まれたかたちは、装飾を省いた、シンプルで優しいかたちをし ている。その肌に現れる豊かな色合いとともに、健やかな美しさがある。 「僕のうつわを小さなお子さんが見て、『きれいで使ってみたい』と言って くれるそうです。子供の心に届いていると思うととても嬉しいのです。僕 自身、家族との食卓でうつわを使っていて、離乳食のスプーンがすくいや すいように縁どった丸鉢などの作品もあり、小さな手にも使いやすいうつ わをつくりたいと思っています」

最近は「アイスグリーン+(プラス)」や「ブルーグレー+」など、複数 の釉薬をかけ合わせたうつわが増えてきた。「+」という考えで、釉薬 のかけ方や重ね方、組み合わせを変えることで、作風は無限に可能性 を広げる。「定番でつくってきた色は、ここ何年かで釉薬が安定してき ました。他方で、今までの経験を思い返し、新しい釉薬や、釉薬同士を かけ合わせた色のグラデーションを研究し続けています。新しい表現 が生まれるときは、まずはやってみようという探究心から始まります。 流れを想像しながら、釉薬を施すのです。釉薬の流れは長石(ちょうせ き)などの原料の溶け具合によって変わってくる。ある程度考えてコン トロールしていますが、その通りになるとは限りません。失敗も多いも のです。けれど、衝動的に新しいことを試したくなることがあって、自分 にとってはその好奇心も大事な原動力ですね。好奇心の先に何ができ るのか、僕自身も楽しみなのです」
澄み切った空気のような清々しさを食卓に運んでくれるうつわ。花を 入れずとも自然の美しさを感じせてくれる花器。鮮やかな色彩と流れ るグラデーションの美しさをたたえる岩崎さんの作品は、かたちと色 の原点をひたむきに追求する探究心から生まれてくる。それらの作品 は、やがて私たちの感情を呼び起こし、珠玉のものがたりのように心 に響く温もりを秘めている。

アイスグリーン+紫匂花器

アイスグリーン+紫匂花器

最近は「アイスグリーン+(プラス)」や「ブルーグレー+」など、複数 の釉薬をかけ合わせたうつわが増えてきた。「+」という考えで、釉薬 のかけ方や重ね方、組み合わせを変えることで、作風は無限に可能性 を広げる。「定番でつくってきた色は、ここ何年かで釉薬が安定してき ました。他方で、今までの経験を思い返し、新しい釉薬や、釉薬同士を かけ合わせた色のグラデーションを研究し続けています。新しい表現 が生まれるときは、まずはやってみようという探究心から始まります。 流れを想像しながら、釉薬を施すのです。釉薬の流れは長石(ちょうせ き)などの原料の溶け具合によって変わってくる。ある程度考えてコン トロールしていますが、その通りになるとは限りません。失敗も多いも のです。けれど、衝動的に新しいことを試したくなることがあって、自分 にとってはその好奇心も大事な原動力ですね。好奇心の先に何ができ るのか、僕自身も楽しみなのです」
澄み切った空気のような清々しさを食卓に運んでくれるうつわ。花を 入れずとも自然の美しさを感じせてくれる花器。鮮やかな色彩と流れ るグラデーションの美しさをたたえる岩崎さんの作品は、かたちと色 の原点をひたむきに追求する探究心から生まれてくる。それらの作品 は、やがて私たちの感情を呼び起こし、珠玉のものがたりのように心 に響く温もりを秘めている。

アイスグリーン+紫匂ぐい呑

アイスグリーン+紫匂ぐい呑

岩崎龍二 Ryuji Iwasaki

1980年大阪府生まれ。2000年大阪美術専門学校卒業。伝統工芸 の世界で技を磨き、2012年大阪府富田林市に工房を構え、うつわを 創作する。



岩崎龍二 Ryuji Iwasaki
FORM / COLOUR vol.2
2023.2.23(木・祝)- 3.13(月)
作家在廊日:2.23(木・祝)
JOHN SMEDLEY KYOTO
1F ShinPuhKan, 586-2 Sagarubanocho, Aneyakoji,
Karasumadori, Nakagyo-ku, Kyoto City

cooperation Utsuwa Shoken
direction Tomoo Shoken
edit Tomoo Shoken, Rika Ito
design Fuyuki Hashizume(TOR DESIGN)
photography Yuko Okoso

岩崎龍二 Ryuji Iwasaki

1980年大阪府生まれ。2000年大阪美術専門学校卒業。伝統工芸 の世界で技を磨き、2012年大阪府富田林市に工房を構え、うつわを 創作する。

岩崎龍二 Ryuji Iwasaki
FORM / COLOUR vol.2
2023.2.23(木・祝)- 3.13(月)
作家在廊日:2.23(木・祝)
JOHN SMEDLEY KYOTO
1F ShinPuhKan, 586-2 Sagarubanocho, Aneyakoji,
Karasumadori, Nakagyo-ku, Kyoto City

cooperation Utsuwa Shoken
direction Tomoo Shoken
edit Tomoo Shoken, Rika Ito
design Fuyuki Hashizume(TOR DESIGN)
photography Yuko Okoso